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FTTHの乗換え増加 国内BB市場規模は横ばい 矢野経済研究所
提供:電経新聞社(2008/08/11)
矢野経済研究所がこのほど実施した「国内ブロードバンド市場に関する調査結果2008」によると、FTTH同士での事業者の切替えが増加傾向にあることがわかった。とくにFTTH市場の競争が激しい西日本エリアで、事業者を乗り換える動きが顕著になっている。一方で、ブロードバンド未利用世帯からの新規加入ペースはやや鈍化した。
国内ブロードバンドサービスの契約者数は、FTTHの急速な普及に牽引され、07年度で2800万を越えた。ただし、年間の純増数は年々鈍化傾向にあり、ブロードバンドの総純増数は、05年度374万、06年度313万、07年度232万と推移している。なお、08年度の国内ブロードバンド接続市場規模は前年比9%増の1兆5000億円。
FTTH事業者では、ADSLユーザをメインターゲットにした「光IP電話+FTTH」による囲い込みが一巡してきたため、ユーザターゲットをインターネット初心者やインターネット未利用者などの層へ広げつつある。また、セキュリティや加入時のセットアップサービスなどを標準的にセットしたサービスを増やしていること、さらには、テレビやゲーム機など、パソコン以外で繋がるインターネットサービスをPRすることで、需要を喚起させようとの試みも目立ってきた。
しかし、インターネットリテラシーの高くない層を囲い込むには、慣れ親しんできている層を対象とする場合と比較して時間とコストがかかる。それが純増ペースに影響を与えていると同社では見ている。
FTTHからFTTHへの事業者間での切り替えも、やや増えてきている。西日本エリアではその傾向が顕著で、初期段階にFTTHに加入したユーザが、再度他社サービスを比較検討して切り替えていくケースや、賃貸の集合住宅市場では、移転・転居を契機に事業者を切り替えるケースも増えているようだ。これを受け、事業者では新規契約時に数年の間契約変更や解約をできないような制限を設けたり、既存ユーザ向けサービスを手厚くしたりするなど解約防止対策を強化している。
個人向け市場では、CATV事業者や一部FTTH事業者などで地上デジタル放送の切り替え需要を巻き込み、アクセスサービスと放送サービスのバンドル率が上昇傾向にあり、新規加入のバンドル率が30―40%に伸びている事業者もある。
光IP電話は固定電話というライフラインの切り替え需要を巻き込み、FTTHの伸びに大きく貢献しているが、同様に生活に密着したライフラインとして根強い需要を保つ地上波放送は、今後の世帯向けアクセスサービスの普及を牽引するには有望なものになると見ている。
今後のブロードバンド市場では、ケータイサービスの進化・ワイヤレスブロードバンドの立ち上がりが注目される。3Gや3・5Gの携帯電話の普及により、フルブラウジングなど携帯端末からwebサービスを利用できる環境が浸透し、固定系と移動系の端末・サービス・コンテンツが融合しつつある。また、DSL低―中速並のメガクラスのワイヤレスブロードバンドサービスが、ビジネスコンシューマや若年層を中心に認知されつつある。そのため、世帯から個人をターゲットにしたサービスの進化によって、市場構造が変化、今後既存のブロードバンド市場環境も大きく影響を受けるものと予測している。
