IPTVとは
NGNでは広帯域性を生かした新サービスの提供が期待されており、高精細映像サー ビスとしてIPTVが注目されています。IPTVは、ブロードバンドに接続されたネット ワークインフラを利用してテレビを配信します。ブロードバンドの特性をいかして VOD(Video On Demand)の実現と関連付けられることも多くあります。
IPTVによる放送サービスを、同じくインターネットを通じたデータ通信サービス のWeb、ならびに音声通信のVoIPと一緒に1本の回線で提供するサービスが、トリプル
プレイと呼ばれています。これに移動サービスを加えたのがクアトロプレイです。
デジタルデバイドの解消
放送局は現在、地上デジタル放送の電波を全国にくまなく届けるため中継局を整備 しています。しかし、2011年時点で全国の数%の地域はカバーできないと見られて います。
そこで、山間部やビルの谷間など電波の届かない難視聴地域には、既存するIPネッ トワークを使ってテレビも見られるようにする構想があります。2008年3月31日に 商用サービスを開始したNTTのNGNでは、地上波デジタルIP再通信も考えられています。
企業内イントラ
また、企業内のイントラとして、企業内に保存/蓄積されているコンテンツ等を ネットワーク経由で配信することで従業員が簡単に視聴することが可能となります。 こうすることで企業内の「社内TV」など、従来のVHS/CD-ROMなどで配布していた 映像コンテンツをストリーミングコンテンツとして配信することで、VHS/CD-ROM など媒体の紛失/流失を防ぐとともにダビング等のコストを抑えることができます。
また、リアルタイムでのストリーミングをIPTVで配信することで、工場の監視や 研修の中継といったリアルタイム性を求められる業務を、各地方拠点にIP中継する ことが容易になります。
インフラと配信方法
インフラは、回線速度が速いことや回線事業者との接続の関係上、光ファイバー 回線を用いることがベターで、配信方法には、IPマルチキャスト技術を採用してい ることが多く“IPマルチキャスト放送”と呼ばれることもあります。この技術を利用 して多数のチャンネルを送信することが可能で、これにより現在のCATVの番組数を 超えることも可能となり、テレビを見る選択肢が更に増加します。また、「ネット ワーク経由で見る」という“第3の選択肢”が加わることで、様々な事情で見られ なかった番組も手軽に見られるチャンスが広がるわけです。
今後の展望
利用者が増えることでサービスはどんどん多様化していきます。パソコン以上の 大画面で高画質の映像を利用したゲーム、コンテンツをみんなが楽しむようになる ことが考えられます。また、大型テレビだけではなく、いわゆるクワトロプレイと なる移動携帯用のテレビや携帯電話でのテレビ需要も増加し、好きな時間に好きな 場所で好きなコンテンツをみるといったことも考えられます。
きちんと管理され安定したネットワーク環境で、ハイビジョン並の高品質の映像 が楽しめるIPTVは新しい時代の映像配信の形です。
各国の動向
- 〇アメリカ
- CATVのデジタル化が終り、これからサービスの充実化の段階に来ています。そん な中、マイクロソフトはIPTV向けのソフトウェアのサービスを展開中です。既に AT&Tは2006年6月にIPTVの本格運用を開始しています。 また、通信業界2位のベライゾン・コミュニケーションズのIPTVサービスは2008年、 米ケーブルテレビの中で10位に食い込む急成長を続けています。
- 〇ヨーロッパ
- ヨーロッパ全土にわたるIPTVの加入者数は、2006年の約300万から現在も大きな 伸びを示しており、市場規模は約10億ユーロ(13億ドル)に達しています。 この好調を支える一つの要因としては、BT等の大手通信企業の市場参入が挙げら れ、インターネット上で格安のTV番組を見られるサービスを多くの消費者が利用し 始めているからです。
- 〇中国
- 2006年9月、中国最大の経済都市上海で、商用サービスが正式にスタートしました。 同国の最初のサービス開始は黒龍江省のハルピンで、2007年時点で11万余が加入し ています。2008年の北京オリンピックを控え、伸びが予想されています。
- 〇韓国
- 韓国のIPTVの加入者数は、Hanaro社が2007年12月には80万の加入者を確保し、 KT社が30万の加入者を確保しました。KT社とHanaro社がメディアなどに公開した 2008年の目標値を合計すると、約300万加入にのぼり、今後もサービスの拡大が予想 されます。
