PLC技術を応用した同軸ケーブルネットワーク
現在、ネットワーク構築をするときLANケーブル等で配線する事が一般的ですが、 新たな配線工事を必要としないでシステム構築を行う方法のひとつに、電力線を使う
「PLC」があります。 しかし、PLCではノイズによる通信妨害などの課題がまだ存在します。そこでテレ ビの同軸ケーブルを利用することによってPLCの特徴を生かしながらまた、PLCのさま
ざまな課題をクリアしたネットワークを紹介します。
1.PLCの課題とテレビ同軸ネットワークによる解消
- ・分電盤工事が発生する為工事資格者が必要か。
- → 分電盤工事が不要で設置工事に特別な資格が必要はありません。
- ・停電工事を伴うのか。
- →電源停止は発生しません。テレビ端子があれば構築が可能です。
(ただし、テレビ放送が止まる) - ・外部からのノイズによる速度低下や、周囲への電波障害などが問題となるのか。
- → シールドされた同軸ケーブルを使用するため、これらの問題が発生しにくいことが考えられます。
2.同軸ケーブルネットワークのモデムの紹介
アンテナ用同軸ケーブルを利用したネットワークを構築する商品は以前から各社販売を行っています(例えば「c.Link」※1等)が、今回はその中で、高速PLCの技術を応用して既設のテレビ共聴用同軸ケーブルで最大200Mbpsの通信を実現する
住友電気工業様の同軸用高速モデム「ACLCシリーズ」を紹介します。
(「ACLC」は、「Advanced Cable Link Communication」の略)
<仕様>
- 構成機器はヘッドエンド(親機)側の「CAU2510」、CPE(子機)側の「CTE1510」
- UPAのPLC技術を利用しており、物理速度は最大200Mbps(実効速度(UDP)は最大100Mbps程度)だが、周波数帯域は国内で販売されているUPA規格のPLCが使う2〜30MHzと比べて4〜34MHzと異なる
- 本体サイズと重量は
CAU2510が160×40×130mm(幅×奥行×高)、約1kg
CTE1510が40×150×94mm(幅×奥行×高)、約250g
どちらもインターフェイスとして同軸×1ポート、
10BASE-T/100BASE-TX×1ポートを備えるほか、
CAU2510はRS-232Cのシリアルポートも1ポート備える。
<特徴>
- 同軸に接続するだけで設定を行わずに利用できる
(デフォルト設定にて運用する場合) - CAU2510には最大64台の子機を接続可能
- CTE1510を親機として設定する場合、32台64台の子機を接続可能
- 企業向けに販売
- 同軸ケーブルを流れるテレビ放送の信号は70〜770MHzを利用するが、ACLCシリーズではより低い4〜34MHz帯を利用するために既存のテレビ放送には影響 を与えない
- 独自のOVLAN(Optimized VLAN)機能で子機間の通信を遮断する機能、MACアドレスで子機を認証するセキュリティ機能なども備える。
- Qos機能(優先制御(IEEE802.1q/TOS)+帯域制限)を有す
- 適用分野・・・ホテルのインターネット、 VODサービス、学校インターネット、
小規模集合住宅のインターネット、病院内のベッドサイドネットワークなど
※1 【c.Link】
同軸ケーブルを利用して通信を行う技術の「c.Link」
(Entropic Communications社が開発した方式)を参考までに紹介いたします。
- 通常のCATVは770MHz以下の周波数を、BS/CS放送などは1GHz以上の領域を利用しているため、この隙間にあたる900MHz付近(825〜975MHz)の周波数を利用
- 最大270Mbps(最大実効速度100〜150Mbps)の通信が可能
【参考リンク】
住友電工株式会社(高速同軸モデム)・・・ http://www.sei.co.jp/clc/
Broad Band Watch・・・ http://bb.watch.impress.co.jp/
マイコミジャーナル・・・ http://journal.mycom.co.jp
IT用語辞典e-words・・・ http://e-words.jp/
