公衆無線LANアクセスサービス:FON(フォン)について
最近急速にアクセスポイント数を増大させている、
公衆無線LANアクセスサービス:FONを取り上げます。
従来の公衆ホットスポットサービスや無料のFREESPOTサービスと異なり、草の根運動・Web2.0的に参加者が
アクセスポイントを自らの手で構築していくという 従来にはなかった新しい世界的な取組みです。
1.FON(フォン)とは
FON(フォン)は、登録メンバー(Fonero:フォネロと呼ぶ)同士で無線LANアクセスネットワークを共有するコミュニティサービスです。FONに参加すると
他の世界中のFONメンバーが提供する無線LANネットワークを相互に利用することができます。FONは2005年にスペインで設立されたベンチャー企業「FON」により
運用されています。
「FON」社が提供する専用の無線ルータ「La Fonera(ラ・フォネラ)」を家庭の
LAN(ユーザが有しているインターネット環境)に接続し、FONのWebサイトに自分の使用しているラ・フォネラを登録することにより、他のFONユーザが提供している全世界の無線LANアクセスポイントを利用することができるようになります。
2006年8月に日本法人「FON JAPAN(フォン・ジャパン)」が設立され、2006年12月より本格的に日本国内での運用(ラ・フォネラの販売)が開始されました。
2007年12月1日には、日本国内のFONアクセスポイント数が24,654、FONユーザが
43,902人になっているとのことです。また、2007年末の世界中のFONユーザは
590,000人、FONアクセスポイントは207,982箇所で、日本は2007年10月から世界で
一番多くのFONアクセスポイント(FONスポット)を保有する国になりました。
2.サービス内容
FONサービスにはLinus(ライナス)、Bill(ビル)、Alien(エイリアン) の3つの種類がある。- ・Linus(ライナス):
- 自分のFONアクセスポイント(ラ・フォネラ)を無償で提供し、他のユーザ(フォネロ)が設置しているラ・フォネラも無償で利用できる。
- ・Bill(ビル):
- 自分のラ・フォネラを有償で提供し、他のフォネロが設置している ラ・フォネラも有償で利用する。
- ・Alien(エイリアン):
- 自分ではラ・フォネラを提供せず、他のフォネロが設置しているラ・フォネラを有償で利用する。
現在、日本では「ライナス」のサービスのみが提供されており、有償のサービス
は提供されていません。
FONサービスの基本となる専用ルータ「ラ・フォネラ」は、
九十九電機やFON公式サイトから購入でき、1980円と非常に安価でありながら、
IEEE802.11b/gの無線LAN機能を有している。現在販売されているほぼ全ての無線LAN対応機器はIEEE802.11b に準拠しているため、PSPやニンテンドーDS等のゲーム機、W-ZERO3等の無線LAN対応スマートフォン、Mylo、iPod
touch 等が利用できます。
また、ラ・フォネラには二つのSSID(Service Set Identifier:無線LANアクセスポイントの識別子)が用意されており、外部に公開するパブリックなアクセスポイントと家庭内で個人が利用するプライベートなアクセスポイントに分割して利用できます。
3.使用可能なサービスエリア
FONのアクセスポイント(FONスポット)は、一般の公衆無線LANネットワークの
アクセスポイントと異なり、個人によって開設されたものです。そのため、人の往来の激しい都心部の駅や商業地域・レストラン地域を中心に展開されている公衆無線LANサービスエリアとは異なり、住宅街を中心にエリア形成されています。
使用可能なFONのサービスエリアは、「FONマップ: http://maps.fon.com/
」
を利用して調べることが出来ます。
4.公衆無線LANサービスの動向
現在、NTTグループやYahoo BB等により提供されている有料の公衆無線LANスポット数が13,000以上、
FREESPOT協議会により運営されている無料の公衆無線LANスポット数が5,000以上という状況と比較すると、FONスポット数の24,000以上というのは大きな数字であり、しかもここ1年程度で構築されたという条件からすると驚異的でもあります。
問題は、住宅街を中心としてエリア展開されるという性格上、使いたい時に使いたい所でFONスポットを利用できるかということになるのでしょうが、既存の公衆無線LANサービスとの共存ということで捉えれば良いのかもしれません。
また、昨年10月には、英国最大のテレコム企業であるBT(ブリティシュテレコム) が無線LANアクセスポイント共有コミュニティFON(スペイン)と提携し「BT FON」 を展開するということを発表しました。これは、BTが加入者向けに提供している Wi-Fiサービス「BT Openzone」の強化を目指したもので、FONユーザとの相互接続によるネットワークの外部効果を狙ったものと考えられます。
2007年のWi-Fiチップセットの出荷量は3億個を超え、前年比41%増になったそうです。今後もWi-Fiは、ノートPC以外のさまざまな端末でも機能の一つとして搭載されると予想され、公衆無線LANサービスの発展に繋がっていくと思われます。
