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燃料電池

次世代エネルギーの本命とも目され、来るべきユビキタス・コンピューティング時代の情報端末等の電源としても最近話題の燃料電池について特集を組んでみました。
電池の概要

 1 電池の歴史

 歴史上の主な足跡としては
1791年  生物学者のガルバーニ(伊)がカエルの足の神経に2種類の金属を 触れさせると電流が流れことから電池の原理を発見した。
1800年 ボルタ(伊)が銅と亜鉛を食塩水などの電解質に入れると、亜鉛は原子が溶け出し電子を出すため、銅は(+)極、亜鉛は(-)極となり、 銅線でつなぐと両者間で電流が流れる電池を発明。
1836年 化学者のダニエル(英)が、「ボルタの電池」の欠点である分極が 起きない「ダニエルの電池」を発明。
1839年 グローブ(英)が最初の燃料電池と言われるガス電池を発明。
1867年 ルクランシェ(仏)が現在の電池の原形を発明。
1888年 ガスナ−(独)、ヘレセンス(デンマーク)が液がこぼれない電池 を発明した。
「乾いた電池」=乾電池と呼ばれた。
日本の屋井先蔵も独自で乾電池をそれ以前に作成した。
1899年 ユングナー(スウェーデン)がニッケル・カドミウム蓄電池を発明
1900年 エジソン(米)がニッケル・鉄蓄電池を発明。

 2 電池の分類

    電池は、電気エネルギーを作る方法から、3つに大別されます。

 (1)化学電池
     物質の化学から生じる電気エネルギーを取り出すものです。
   ・一次電池
     使い切りで充電のできない電池です。 
   ・二次電池

充電することで繰り返し使うことができる電池です。
1980年〜90年代初めにかけて、モバイル用二次電池といと言えばニッカド電池が主流でしたが、その後高性能なニッケル水素電池が1990年から製造されました。91年からは、更にエネルギー密度が高いリチウムイオン電池が生産を開始され、モバイル機器に使用されています。

  ・燃料電池

酸素と水素を供給して電気エネルギーを取り出します。

 (2)物理電池
     光や熱のエネルギーを取り入れて、物質の化学変化なしで電気エネルギーを取り出すものです。
 (3)生物電池
     生物化学反応から電気エネルギーを取り出すものです。


1 燃料電池の発電の仕組

 1) 燃料電池とは、水素と酸素を化学反応させて直接電気を発電する装置です。

燃料となる水素は、一般的に天然ガスやメタノールを改質して作ります。
酸素は、大気中から取り入れます。 
また、発電と同時に熱も発生するので、その熱を活用することでエネルギーの利用効率が高められます。

 2)発電の仕組み 
   ・燃料電池は、「水の電気分解」と逆の原理で発電します。

        

 3)燃料電池の基本構成

2 燃料電池の特徴

1) 長所
  ・ 発電の効率が高く、排熱も利用できます。
  ・ 発電時には水を排出しますが、有害なものは殆ど出さず、環境にやさしい。
  ・ 水素と酸素を送り続ければ、乾電池の様に使い捨てでなく長く使えます。
  ・ 騒音や振動が発生せず、静かです。
2)課題等
  ・ 給排水に関する課題
モバイル系のでは、自動車需要と違い給排水に関する課題があります。
  ・ 開発途上であり、コスト、性能等に関する課題があります。 
ランニングコストは、現在のリチウムイオン電池に敵わないし、性質上急激な電力負荷の向上には必ずしも最適ではありません。
   

3 燃料電池出現の時代背景

1)  地球環境保護性の重視から、電気エネルギー生成時に有害ガスを発生させないことが叫ばれています。
代表例は自動車であり、世界の自動車メーカがガソリンエンジンの代わりとして電気モーター駆動用の燃料電池の開発競争を繰り広げています。
2) 充電の必要がない長時間駆動性
宇宙開発や潜水艦等の軍事面では長時間駆動性が重視され、米国の「ジェミニ5号」にGE製の燃料電池が搭載され成功した事例は有名です。
一方、IT分野においてもモバイル機器用電池の主役であるリチウムイオン電池(二次電池)の能力向上に限界が見えてきたことから、これに代わる長時間駆動電池として「燃料電池」に期待が集まっています。

 

  

4 燃料電池の種類

  電解質によって幾つかの種類があります。

1)  現在の研究の主流は、固体高分子形燃料電池(PEFC)です。
2)

固体高分子形燃料電池は、作動温度が常温〜約100度Cであることから、使用材料のコストダウンが図りやすいことや小型・軽量化が可能で、電気のロスが少ないなど、モバイル機器用、自動車用、家庭用として適しています。

5 国の研究開発事業

わが国では、今後もエネルギーを安定供給したり地球温暖化問題や環境問題を解決するために、固体高分子形燃料電池を早く実用化し広まるよう、政策で研究開発を行っています。固体高分子形燃料電池に関係する計画には、次のようなものがあります。

 

 以上のように、燃料電池の開発現状は基盤整備・技術実証段階であり、2005年度からは導入段階、2010年からは普及段階と言われています。

●燃料電池の開発には、いろいろな業界が参加しており、ガス会社をはじめ電力会社、石油会社、電機メーカ、重工メーカ、自動車会社、通信会社などがそれぞれの目的にあった燃料電池の開発に取り組んでいます。
●燃料電池はセル(単電池)を積み重ねれば大きな電力を出力できます。出力の設定しだいで、家庭用から発電所の代わりになるものまで、いろいろなところで、いろいろな用途に使えます。
●情報通信用燃料電池の開発動向について
  ○先に述べた様に固体高分子形燃料電池は、小型軽量化が可能で情報通信用電源としての可能性が高いことから、各社が競って開発競争を展開しています。
   以下に最新情報のアドレスを記載しますので参考にしてください。

 ・NEC、nano tech 2003で燃料電池駆動のノートPC、携帯電話を展示
     http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/02/26/17.html
  ・富士通、高濃度燃料が利用可能なマイクロ燃料電池を開発、大容量化を実現
     http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/01/26/005.html
  ・東芝、燃料電池や3次元液晶など同社のモバイルテクノロジをCeBITで展示
     http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/03/18/015.html
  ・燃料電池でリブレットが動く - 50ccで約5時間、100ccで約10時間利用可能
     http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/03/05/18.html
  ・東芝、手のひらサイズの燃料電池を開発 - 2005年の製品化を目指す
     http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/10/03/22.html
  ・日立、燃料電池実用化に向け東海と燃料カートリッジを共同開発へ
     http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/12/10/19.html